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福島医学検査学会

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第54回 福島医学検査学会
福島医学検査学会を終えて

第54回福島医学検査学会を終えて
学会長 二瓶 憲俊

令和5年5月27日(土)、28日(日)に会津大学にて開催されました第54回福島医学検査学会におきましては、格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。今年の学会は4年ぶりの春期開催となり、爽やかな五月晴れのもとで360名の参加者をいただき、皆様のご協力のもと無事終了することができました。

1日目の教育カンファランスでは、「パニック値の運用」をテーマに検体検査部門、生理検査部門から3名の方々にご講演をいただきました。報告の中で、各施設が共通することは、パニック値が確認された場合、速やかに臨床医に報告対応していることが挙げられます。一方で、その報告に対し臨床医が確実に対応しているかの追跡調査について苦慮している点が課題として挙げられました。今後の取り組みとして、医師との信頼関係を構築しながら単にパニック値のみを報告するのではなく、患者の検査結果経過を踏まえた丁寧な説明が重要であること、そして検査科単独の対応ではなく医療安全部門と連携して病院全体で取り組む必要性があることを感じました。

特別講演では、公立大学法人会津大学 コンピューター理工学部 語学研究センター長でいらっしゃいますウィルソン・イアン教授に「超音波を用いた調音の指導と研究」についてご講演をいただきました。口腔、舌の解剖学の説明に加え、実際の舌エコー画像を提示していただき舌の動きと一つ一つの発音について丁寧な説明をいただきました。最後に、口腔に障害を持つ患者さんに対し、舌の動きを超音波で確認し発音の矯正を行うことも可能であることが説明されました。動画や音声を交えた分かりやすい1時間の講演でした。

2日目は、一般演題37題のご発表があり、各部門では活発な討論が見られ多くの会場で満室となりました。そして、会員が日頃から抱えている問題点や疑問点などを共有したことで、改善策や対処法の手がかりが見つかり解決の一助になったと思われます。また、今学会発表が初めての会員の方々は、今後も新たな疑問点を追及検討していただきその結果を是非、福島県や北日本支部のみならず全国学会でご報告していただきますようお願いいたします。

現在、学会や研修会、勉強会は、現地開催やオンライン開催で行われており、それぞれにメリット、デメリットがあると思います。現地開催のメリットは、会員同士が直接会い、相談することで日々の悩み事や問題点に対する解決の糸口がその場で見つかる点だと思います。今後は、かつてのように研修会や勉強会の現地開催が増えると思われます。オンライン開催は便利ですが、やはり人と人との関わりは、学問や技術の習得のみならず人間性を向上させるためにも必要であることが本学会を通して改めて痛感いたしました。

また、人数制限での情報交換会とはなりましたが、賛助会員の皆様方を含め久しぶりにface to faceで会話することができ楽しいひと時を過ごすことが出来ました。

本学会の開催にあたり、ご協力いただきました演者の皆様、座長の皆様、総会役員の皆様、実行委員、運営委員として企画、準備、運営に携わっていただいた会津支部の皆様、そして学会にご参加いただきました会員の皆様に心から御礼申し上げます。

最後に福島県臨床検査技師会の益々の発展と会員の皆様の今後のご活躍を祈念いたしまして学会報告とさせていただきます。

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